現在開催中の「ボルドー展 ―美と陶酔の都へ―」へ行ってきました。
今回の展示を企画された上野・国立西洋美術館の陣岡様から
展示の魅力や楽しみ方などをお伺いできたので、レポートいたします♪
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音声ガイド、スペシャルコンテンツは国際ソムリエ協会会長の田崎真也さん!
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※館内は撮影禁止なので、写真少なめです!
「ボルドー展 ―美と陶酔の都へ―」は、ボルドー市が誇る6つの主要文化施設
(ボルドー美術館/ボルドー装飾芸術・デザイン美術館/アキテーヌ博物館/CAPCボルドー現代美術館/ボルドー市立図書館/ボルドー市立公文書館)
のコレクションを中心に、200点以上もの展示が。
ドラクロワの晩年の大作である「ライオン狩り」をはじめとする、
街にゆかりのある画家や作品をご紹介するとともに、貴重な歴史資料や装飾芸術品、
「3M」(モンテーニュ/モンテスキュー/モーリヤック…宮沢りえ、観月ありさ、牧瀬里穂ではないのですよ!)の著作や関連作品まで、多様な作品で構成されています。
アキテーヌ地方には「ラスコー」をはじめとする旧石器時代の多数の洞窟移籍で知られる
重要な人類揺籃の地。
この展覧会、入ってすぐに階段があるのですが
「洞窟に入っていくような感じの」ワクワク感を演出してくれます。
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ボルドーは、ガロンヌ河の流れに沿った三日月のような街の形から、
「月の港」(Port de la Lune)と呼ばれ
2007年にはガロンヌ河岸の街の一部が「月の港ボルドー」としてユネスコ世界遺産に登録されています。
そして「ボルドー展 ―美と陶酔の都へ―」、最初の展示は
[角を持つヴィーナス(ローセルのヴィーナス)]。
旧石器時代のヴィーナス像のなかでも、その造形性によって名高いレリーフは
ローレルの遺跡で発見されたそう。なんと25,000年前(頃)のもの!!
縦サイズが54cmと、かなり大きめ。
女性像が意味するところはいまだに謎のままなのですが、手にしている「角」が
ボルドーの象徴「月」にも見えることからも、この作品を展示の一番最初に置いたのだとか。
さて、ここからは7つの章それぞれの「これだけは見ておいて!」
という作品をご教示いただきましたのでレポートします♪
さきほどの[角を持つヴィーナス(ローセルのヴィーナス)]
と同じ「プロローグ—起源」と同じ章にある作品は
[オーロックス(原牛)が刻まれた話][獣脂ランプ][パレットとして使われた石]など。
アキテーヌ地方で発見された、旧石器時代から新石器時代までの
人類揺籃期の遺物が紹介されています。
太古の造形の世界、25,000年頃前〜紀元前2,500年頃の作品がずらりと並びますが
かなり保存状態がいいです!
少しだけ残る顔料の痕なども、チェックしてみてください♪
第1章 古代のボルドー
からは、[少女の墓碑]。
少女が抱いている動物、しっぽの長さからしても、どう見ても猫さまなのですが
「犬」として認識されているそうです。(えー)
この章で個人的No.1にお気に入りが[松かさの形をした香油瓶]。
アスティエのアデライドシリーズのようで、とってもかわいいんです♪
(参考:オルネドフォイユ)
第2章 中世から近世のボルドー
12世紀〜15世紀まで、約300年にわたりイギリス領だったボルドー。
ワイン産業の確立と、スペインへの巡礼路の街として発展しました。
16世紀にはルネサンス最大の思想家・モンテーニュを輩出。
そんな章の見どころは[ミッシェル・ド・モンターニュ『エセー(随想録)』]、
[ボルドー市の紋章]、そして大理石でありながらもマントの柔らかそうな質感が素晴らしい
[ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ『フランソワ・ド・スルディス枢機卿の胸像』]。
第3章 18世紀、月の港ボルドー
交易とワイン産業を通じて黄金期を迎えたボルドー。
パリに100年先立って都市整備が進められました。
「ラトレの地図」として名高い、ボルドー名所一覧が描かれた
[ジャン・ラトレ『ボルドー市と周辺部の地図』]。
ボルドー美術館当時の館長(と言っても、スタッフは一人だけだったので何でもしていたそう)
ピエール・ラクール(父)の[ボルドーの港と河岸の眺め(シャルトン河岸とバカラン河岸)]。
この時代の陶器もたくさんあるので楽しい。
第4章 フランス革命からロマン主義へ
ここではなんといってもドラクロワ(父親がジロンド県知事)の大作[ライオン狩り]。
上部が火事で損傷していても感じられるど迫力の作品。
オディロン・ルドンの[ライオン狩り(ドラクロワ作品に基づく模写)]とセットで。
個人的衝撃作は[聖ユストゥスの奇跡]。
ドラクロワも感銘を受けた作品だそう。
亡命し、ボルドーで最期の日々を過ごしたゴヤの[闘牛]など。
第5章 ボルドーの肖像—都市、芸術家、ワイン
とっても重要なネゴシアンを描いたレオン・ボナの[ダニエル・ゲスティエ氏の肖像]。
バルトン&ゲスティエ(Barton & Guestier)は今も健在のワイナリー。
ゴーロン印刷所の、さまざまなワインのエチケットも興味深い。
そしてこの展示唯一パリのマルモッタン美術館の所蔵品である
クロード・モネの貴重なカリカチュア[ボルドー・ワイン]。
少し小さい作品なので見逃さないように注意が必要です。
エピローグ—今日のボルドー
CAPCボルドー美術館の、ジョルジュ・ルースが製作した写真4点。
これからのボルドーの発展を想起させる作品で、展示が締めくくられています。
東京での展示は9月23日まで。
講演会やスライドトークも随時開催されますので、是非♪
展示品やアキテーヌ地方について見方が違ってきますよー。
「ボルドー展 ―美と陶酔の都へ―」
http://www.tbs.co.jp/bordeaux2015/tokyo/
■国立西洋美術館
東京都台東区上野公園7-7
■会期
2015年6月23日(火)~9月23日(水・祝)
■開館時間
午前9時30分~午後5時30分
(毎週金曜日は午前9時30分~午後8時)
※入館は閉館の30分前まで
■休館日
月曜日(ただし、7月20日、8月10日、9月21日は開館)、7月21日
■観覧料
一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円